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4世紀頃の[[東ローマ帝国]]小アジアの[[司教]]([[主教]])、キリスト教の[[教父]][[聖ニコラウス]]の伝説が起源である。
 
4世紀頃の[[東ローマ帝国]]小アジアの[[司教]]([[主教]])、キリスト教の[[教父]][[聖ニコラウス]]の伝説が起源である。
  

2012年12月24日 (月) 21:33時点における版

サンタクロース

サンタクロースは、クリスマスの前の夜に良い子のもとへプレゼントを持って訪れるとされている伝説の人物。

日本では親しみを込めて「サンタさん」と呼ばれる。

由来

サンタクロース

4世紀頃の東ローマ帝国小アジアの司教主教)、キリスト教の教父聖ニコラウスの伝説が起源である。

「ある日ニコラウスは、貧しさのあまり、三人の娘を嫁がせることの出来ない家の存在を知った。ニコラウスは真夜中にその家を訪れ、屋根の上にある煙突から金貨を投げ入れる。このとき暖炉には靴下が下げられていたため、金貨は靴下の中に入っていたという。この金貨のおかげで娘の身売りを避けられた」という逸話が残されている。靴下の中にプレゼントを入れる風習も、ここから来ている。その後、1822年にニューヨークの神学者クレメント・クラーク・ムーア(コロンビア大学教授)が病身の子供のために作った詩「聖ニコラウスの訪問」がきっかけとなり、このサンタクロース物語は全米中に広まった。

また、ニコラウスは学問の守護聖人として崇められており、アリウス異端と戦った偉大な教父でもあった。教会では聖人として列聖されているため、「聖(セント)・ニコラウス」という呼称が使われる。これをオランダ語にすると「シンタクラース」である。オランダでは14世紀頃から聖ニコラウスの命日の12月6日を「シンタクラース祭」として祝う慣習があった。その後、17世紀アメリカに植民したオランダ人が「サンタクロース」と伝え、サンタクロースの語源になったようだ。

正教会系の国では、サンタクロースは厳密に「奇蹟者」の称号をもつ聖人たる聖ニコラオス(聖ニコライ)であり、聖ニコラオスの祝日は12月6日である(聖名祝日の項目を参照)。子供たちがこの日に枕元に靴下を吊るしておくと、翌朝に入っているのはお菓子である。クリスマスである12月25日は聖体礼儀に行く日で、プレゼントはない。また、ユリウス暦を採用している正教会(ロシア正教会など)のクリスマスは、現行の暦に換算すると1月7日である(現在、ユリウス暦とグレゴリオ暦の間には13日の差がある)。

サンタクロースの姿・特徴

白ヒゲをはやした太りぎみの老人の男で、ニコニコとして赤い服を着ている。白い大きな袋にクリスマスプレゼントを入れて肩に担いでいる。19世紀の初出では一頭立てのトナカイがソリを引く姿が描かれていたが、やがて八頭立てとなり、家々の子どもたちが寝ている間にプレゼントを配る現在のイメージに至っている。

欧米諸国などのサンタは「Ho Ho Ho」(ホゥホゥホゥ)と特徴的な笑い声をあげる事がある。伝統文化として定着している面もあり、カナダでは宛先に「サンタの笑い声」と書くと手紙がサンタ宛に届く。

日本にも、赤い服を着て首のない馬に乗ったおじいさん(歳神)が大晦日の夜にプレゼントを持ってやってきて良い子供に配る、という信仰を持つ地域もあった。

ドイツの古い伝承では、サンタは双子で、一人は紅白の衣装を着て良い子にプレゼントを配り、もう一人は黒と茶色の衣装を着て悪い子にお仕置きをし、容姿・役割共に日本のなまはげに似ており、民俗学的にも年の瀬に来訪する年神としての役割の類似が指摘される。現在、ドイツでは聖ニコラウスは「クランプス」と呼ばれる二人の怪人を連れて街を練り歩き、良い子にはプレゼントを、悪い子にはクランプス共に命じてお仕置きをさせる。

サンタクロース(シンタクラース)の服装はキリスト教の司祭服に由来する。

南半球オーストラリアなどではクリスマスの時期がにあたる為、サーフィンに興じる姿が切手に描かれている。

欧米諸国などのサンタは「Ho Ho Ho」(ホゥホゥホゥ)と特徴的な笑い声をあげる事がある。伝統文化として定着している面もあり、カナダでは宛先に「サンタの笑い声」と書くと手紙がサンタ宛に届く。HoHoHoという発音が英語で売春婦の意味に似ている事から、サンタクロース関連企業において雇用者のサンタに「使わないように」と禁止令が出たと報じられた事があるが、この件は誤解であるといった回答が使用者側から出ている。

最近では、「サンタクロースの太った姿が健康的ではないからブートキャンプに強制参加させるべし」との冗談記事も一部で見られる。

年表

  • 1849年米国コロンビア大学のクレメント・クラーク・ムーア教授の手になる「クリスマスの前の晩」が出版され、その挿絵としてい服を着たサンタクロースがテオドア・C・ボイドによって描かれた。
  • 1862年週刊誌「ハーパーズ・ウィークリー」においてトーマス・ナストが「丸々太ってニコニコ顔」のサンタクロースを描いた。
  • 1886年、トーマス・ナストは聖ニコラウスの姿を参考にして、サンタクロースが北極で暮らしている姿を詳細に描いた。
  • 1914年、この頃から日本の子供雑誌『子供之友』を中心に、赤い帽子に赤い服を着て太いベルトを腰に巻いた現代とまったく同じイメージのサンタクロースが盛んに描かれるようになった。
  • 1920年代、トーマス・ナストが描いたイメージのサンタクロースが、著名な画家ノーマン・ロックウェルに受け継がれた。
  • 1927年、フィンランド国営放送局(ラジオ)の「マルクスおじさんと子供達」の番組で『サンタさんはどこにいるの?』と聞かれてマルクス・ラゥティオおじさんが『お耳のお山にいるよ』と答えた。その山(耳の形をしたKORVATUNTRI山)から、毎日サンタ村に通うそうです。

コカ・コーラとの関係

コカ・コーラ社のコーポレートカラーはサンタクロースの衣装と同じ赤と白であり、サンタクロースの衣装はコカ・コーラの広告に由来するとする俗説がある。

しかし、米国コカ・コーラの広告にサンタクロースが登場したのは1931年であり、この時にはすでに遠く離れた日本ですらサンタクロースのおなじみの姿は確立されて十数年が経過していた。

トナカイ

サンタクロースの乗る空飛ぶソリを引くトナカイは8頭おり、米国の大学教授クレメント・C・ムーア の詩「クリスマスのまえのばん」によれば、それぞれ以下の名前である。

  • ダッシャー (Dasher)
  • ダンサー (Dancer)
  • プランサー (Prancer)
  • ヴィクセン (Vixen)
  • ドンダー (Donder)
  • ブリッツェン (Blitzen)
  • キューピッド (Cupid)
  • コメット (Comet)

またさらに、9頭目の「赤鼻のトナカイ」の歌(原題:Rudolph the Red-Nosed Reindeer )で有名なルドルフ (Rudolph)は1939年にロバート・メイ著の「真っ赤なお鼻のルドルフ」から8頭の先導役として先頭を走る1頭で足されている。

公認サンタクロース

グリーンランドに住む長老サンタクロースの補佐をする目的で、グリーンランド国際サンタクロース協会が1957年に設立された。グリーンランド国際サンタクロース協会が認定する公認サンタクロースは現在世界に180人。クリスマスに自宅ですごすことができない子どもたちのため、クリスマスより一足早く福祉施設や小児病棟などを訪問する。

毎年7月、デンマークコペンハーゲンで世界サンタクロース会議が開かれている。公認サンタクロースは、自宅からサンタクロースの衣裳で参加することが義務づけられている。 毎年1月クリスマスが終わって10日後に公認サンタクロースがノルウェーに集結、サンタリンピック(サンタクロース冬季五輪)が開かれている。

日本からは、1998年にマンボミュージシャンのパラダイス山元がグリーンランド国際サンタクロース協会公認サンタクロースになっている(出典「サンタクロース、ライフ。」パラダイス山元:著 ヤマハミュージックメディア刊)。

また、グリーンランド国際サンタクロース協会公認サンタクロースの存在が日本国内でも知られるようになってからは、フィンランドからやってくるサンタクロースもフィンランド政府公認サンタクロース、フィンランドラップランド州知事公認サンタクロース、フィンランド商工会議所認定公認サンタクロース、等と名乗っている。

サンタクロースが主題の作品

映画

  • 『Christmas Past』(1910年、アメリカ)サイレント映画
  • 『THE ADVENTURE OF THE WRONG SANTA CLAUS』(1914年、アメリカ)
  • 路上の霊魂』(1921年、日本)日本映画初登場のサンタクロース
  • 『三十四丁目の奇蹟』(1947年、アメリカ)
  • 『サンタクロース』(1985年、アメリカ)
  • 『サンタクローズ』(1994年、アメリカ)監督ジョン・パスキン、主演ティム・アレン
  • 『サンタクローズ・リターンズ クリスマス危機一髪!』(2002年、アメリカ)監督マイケル・レンベック、主演ティム・アレン
  • 『34丁目の奇跡』(1994年、アメリカ)監督レス・メイフィールド、主演リチャード・アッテンボロー
  • 『サンタクローズ3 クリスマス大決戦!』(2006年、アメリカ)監督マイケル・レンベック、主演ティム・アレン

漫画

  • 「わしはサンタじゃ!!」(光原伸『アウター・ゾーン』の1エピソード)

関連項目

関連文献

脚注

外部リンク